シスメックス、DocAve Online と Governance Automation Online の導入により、セキュアな社内外コラボレーション基盤の構築・運用管理タスクの負担軽減を目指す

クリティカル ニーズ

  • 社内外ユーザーが安全にコラボレーションできる情報環境の構築
  • SharePoint Online 既定機能よりも粒度の細かいバックアップ・リカバリー機能
  • SharePoint 運用管理の自動化による IT 部門・利用部門の負担軽減

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  • Sysmex
  • 顧客ロケーション 兵庫県・日本
  • 業界 ヘルスケア
  • プラットフォーム Microsoft 365, SharePoint Online
  • AvePoint ソリューションCloud Backup

ハイライト

  • DocAve Online の機能で、SharePoint Online を社内外向け情報共有システムとして安全に活用。情報環境にガバナンスを効かせながら社内外コラボレーションを活性化
  • DocAve Online のライブラリ単位・ドキュメント単位などの最小単位バックアップとリカバリーで、運用管理を効率化
  • Governance Automation Online の導入で、エンド ユーザーへの IT サービス提供効率化を実現・運用管理負担を軽減
quote 運用管理の負担軽減につながる機能が揃っていることに魅力を感じます quote
大西勇次氏 情報ソリューション部 シスメックス

挑戦

社内コラボレーション システムの利用者として、グローバルに約 8,000 ユーザー、国内に約 3,800 ユーザーを擁するシスメックスは、イントラネットに Microsoft SharePoint 2007 (MOSS) を使用してきました。

「シスメックスでは、利用者による積極的な活用・利用促進を狙い、2008 年からサイト設計の講習を年 2 回開催するなど、システム導入と運用定着化の両面の施策により、社内の情報共有を促進してきました。」 と、情報ソリューション部・情報サポートグループに所属する大西勇次氏は語ります。

そのように活用してきた SharePoint 2007 のサポート終了が近づいたため、同社では移行先として SharePoint Online の導入を決定しました。「当社では、数年前から Exchange Online を導入するなど、クラウドの採用による最新技術を活用したワークスタイルの変革に取り組んでいました。」 と、大西氏は説明します。

「そのような流れの中で、SharePoint Online にも、モバイル対応等の最新機能の活用や、Microsoft による 24 時間 365 日の安定運用を期待して、採用を決めました。」

「しかし、これまでの SharePoint の運用を通じて情報の蓄積が進んだ半面、『必要な情報を探すのが困難になった』 という声も上がっていました。」 と、大西氏は振り返ります。

また、オープン イノベーションに代表されるようなコラボレーションの機運の高まりの中、社外と共同作業を行うプロジェクトも増加していました。

「社外コラボレーションをスムーズに実施するために不可欠となる情報共有システムへのニーズが高まってきていましたが、セキュリティが最重要懸念点となっており、セキュアな状態で情報共有ができる方法を模索していました。」 と、大西氏は語ります。

AvePoint のソリューション

上記のようなニーズに応えるソリューションとしてシスメックスが選択したのは、AvePoint Online Services の一環である DocAve Online でした。

Microsoft Azure 上にホストされる DocAve Online は、Office 365 の管理作業をシンプル化することを可能にする、SharePoint Online や Exchange Online、 OneDrive for Business などのプラットフォームにおけるアイテムレベルからプラットフォームレベルまでのバックアップ・リストア機能をはじめとする、数多くの機能を提供するツールです。

シスメックスでは、SharePoint 2007 (MOSS) 導入時に AvePoint 製品の DocAve コンプライアンス監査マネージャー、SharePoint 2010 導入時に DocAve 管理センターを採用した経験がありました。

「DocAve 管理センター導入後も AvePoint の製品情報はチェックしていたため、今回の SharePoint Online 導入に際しても、同社のソリューションが活用できるのではないかと思い、検討に着手しました。」 と、大西氏は語ります。

導入の決め手となったのは、SharePoint 機能との親和性の高さでした。「Office365 アカウントで利用できること、サイト作成をユーザー部門での申請だけで自動化できること、サイトグループ毎に外部ユーザーの利用を制御できること、2016 年にリリースされた新しい監査ログのデータをバックアップできること、データのバックアップができることなど、運用管理の効率化に有効な機能が揃っていることが決め手となりました。」 と、大西氏は振り返ります。

また同社では、基幹系システムとは異なり、SharePoint のような情報系システムについては、少人数のスタッフでも対応できるように効率よくオペレーションしたいという考えもあり、DocAve Online が備える自動実行・最小単位リカバリー機能等が、IT サービス向上、そして運用管理タスクの効率的な処理に役立つことが期待されました。

「SharePoint の標準機能でリカバリーできるのはサイト単位までですが、DocAve Online ではライブラリ単位・文書単位などの細かい粒度での復旧ができる点を評価しました。別途導入せざるを得ないと考えていたサイトアクセス解析機能が利用できたことも便利に感じました。」 と、大西氏は語ります。

ヘルスケアという業種柄、情報の取り扱いには厳格な規則が存在します。シスメックスでは、手間と時間がかかりがちな監査要求への対応も、DocAve Online を活用して効率性を向上させることを目指しています。

「監査担当や利用部門からの調査、提出要求に迅速に対応できるよう、監査ログのアーカイブ・アクセス権限の定期エクスポート・データのバックアップを導入中です。」 と、大西氏は語ります。

「手間のかかりがちな監査レポート作成も、DocAve Online を使えば、フィルターを適用して検索を実行し、 結果をレポートとしてエクスポートするだけで完了します。ユーザーの誤操作で権限設定が不適切になってしまった場合や、ファイルが誤って上書きされた場合などにも活用できるのではないかと期待しています。」

加えて、AvePoint Online Service のモジュールのひとつである Governance Automation Online の導入により、運用管理の効率化・自動化の更なる促進を目指しています。

「Governance Automation Online には、あらかじめ社内ルールに応じてガバナンスを設定したテンプレートを準備しておき、エンドユーザーの申請を承認するだけでサイトコレクションを自動作成できる機能があります。これを是非利用したいと考えました。」 と、大西氏は語ります。

「例えば社外向け・社内全体向け・社内国内向け・社内個社向けといったルールを 【サイトグループ】 単位で策定し、サイトコレクションを対象に自由に定義することができるため、手間・時間を節約しながら情報環境のガバナンスを維持することができます。

また、Governance Automation Online には、エンドユーザーの申請書を承認するだけでサイトコレクション払い出しやクォータ拡張の作業が自動的に完了し、実行したアクションが記録として残るという機能があります。これを、IT 部門の作業負荷軽減・作業ミスの可能性を最小限に抑えるために導入したいと考えています。

このほかにも、サイト払い出し、権限洗い替え、コンテンツ移動、サイトコレクション削除などルーティーン的・集中的に発生する単純作業を自動化し、ユーザー部門と IT 部門の負担を軽減することを期待しています。」

外部招待機能を活用した組織外パートナーとの情報共有を検討していたシスメックスにとって、外部と共有する情報の適切な管理は大きな課題でした。

「外部ユーザーを招待できるのは Office365 の大きな魅力ですが、不適切な情報開示を防ぐためには権限管理を徹底する必要があり、IT 部門やエンドユーザーへの負担増が心配でした。

Governance Automation Online を使い、外部ユーザーの招待を承認するステップを入れることで、利用者の負担を軽減しつつ適切な管理を実施しなければならないという課題を解決することを考えています。」 と、大西氏は語ります。

シスメックスでは、今後導入を進めていく中で、Governance Automation Online が備える数多くの運用管理機能を、自社ニーズに応じて導入していく予定です。

「『希望する新規サイトURLの重複チェック』 や 『クォータの拡張・外部ユーザーの招待等のタスクの申請ベース自動実行』 など、運用管理の負担軽減につながる機能が揃っていることにも魅力を感じます。」 と、大西氏は語ります。「まだ導入の途中ではありますが、リリース後の管理作業負荷を解消することに役立てたいと考えています。」

最終結果

「社内外コラボレーションを安全に実行できる情報環境の構築」「クラウド移行後の運用管理の手間・時間削減」 は、Office 365 環境を最大限に活用したいと考えていたシスメックスにとって、非常に重要な目標でした。

シスメックスは、DocAve Online と Governance Automation Online が備える 「自動化」「最小単位バックアップ」 などの機能を活用し、これらの目標に向かって着実に歩みを進めています。

さらにシスメックスは、DocAve Online・Governance Automation Online 以外の AvePoint Online Service モジュールにも関心を寄せています。

「現在、2016 年後半から一般公開されたモジュールの Cloud Insights (クラウド・インサイト) に興味を持っています。」 と、大西氏は語ります。「サイトアクセス解析結果を分析・調査し、検索エンジンのチューニングに役立てられないか、検討を重ねているところです。」

顧客紹介 Sysmex

シスメックスは、「ヘルスケアの進化をデザインする。」 の理念を掲げ、医療の発展や人々の健やかな暮らしに貢献すべく、臨床検査機器、検査用試薬ならびに関連ソフトウェアなどの開発・製造・販売・輸出入を行う、兵庫県に拠点を置くヘルスケア企業です。グローバル規模でビジネスを展開しており、輸出先は世界 190 ヵ国以上にのぼります。

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