Skype for Business 提供終了目前 ! 今確認しておくべきポイント 5 選


約 10 年前に Microsoft から初めてリリースされたインスタント メッセージング ソフトウェア Lync Enterprise。2015 年にリブランディングを経て、Skype for Business として新たな門出を迎えました。
当時、多くの企業でメッセージ送信や音声通話、ビデオ通話にSkype (コンシューマー版は 2011 年に Microsoft により買収) が使用されました。Skype の機能は徐々に進化し、従業員のコラボレーション ニーズの変化に合わせ、より幅広いオプションを提供できるよう、Microsoft の開発者もさらなる努力を重ねてきました。
そして、世界規模でのパンデミックによって、世界中の企業がリモートワークへと大きく移行することになり、転機が訪れました。
Microsoft は 2019 年に、SaaS である Skype for Business Online の提供終了を発表し、Skype ユーザーを Microsoft Teams と呼ばれるクラウド ベースのユニファイド コミュニケーション プラットフォームに誘導しました。これは、新型コロナウイルス感染症の大流行のかなり前のことです。なお、オンプレミス バージョンの Skype for Business Server は、2024 年までメインストリーム サポートが提供されます。
オフィスに来ていない多くの同僚と、国や大陸を越えてコミュニケーションを取っている人が多い今、統合ソリューションの価値は言うまでもないでしょう。Microsoft Teams は円滑なオンライン コミュニケーションを実現する上で必要不可欠なツールです。
では、 Skype for Business 提供終了目前 となった今、Skype を利用している企業は、今後数か月でどのような課題に直面するのでしょうか?
実際のところ、移行そのものを除いて、それほど大きな課題は存在しません。Microsoft 365 for Business に含まれている多くの機能を備えた Microsoft Teams アプリケーションには、Skype for Business と同様のチャット コラボレーション機能などが搭載されています。
飛躍を目指す企業は多い: Microsoft の CEO である Satya Nadella 氏によると、パンデミックの最中に Teams の採用が急増 しました。2020 年 10 月の時点で、Teams のアクティブ ユーザー数は一日あたり 1 億 1,500 万人で、同年 4 月下旬に発表された数から 53% 増加しています。
移行で時間とコストを節約: 2019 年のフォレスターの分析によると、Teams の効率性によりユーザーは 1 週間に最大 8 時間の労働時間を短縮でき、Teams を利用している従業員 5,000 人レベルの企業では、3 年間で 2,710 万ドルの総合的な純利益をあげる計算になります。
まだ Skype からの移行を始めていない企業にとって、もう時間の余裕はありません。Teams の実装と従業員のトレーニングについて、今すぐ計画を立てることが必要です。タイムリーでよく練られたロードマップがあれば、従業員がどこにいても、スムーズなコミュニケーションとビジネス継続性を確保できるでしょう。
ここからは、これから数週間のうちに確認・対処しておくべき、5 つの重要なポイントを解説します。
Skype for Business 提供終了
Microsoft は、2019 年 7 月に初めて Skype for Business Online の提供終了を発表しました。正式な提供終了日は、2021 年 7 月 31 日です。その後は、プラットフォームにはアクセスできず、サポートもされなくなります。Microsoft によると、Skype for Business とサードパーティの電話会議システムとの統合も機能しなくなります。
Skype 管理者の皆さんは、提供終了日のギリギリまで待つ必要はありません。ユーザーの準備ができ次第、Microsoft Teams の管理センターから「Teams Only」モード をオンにすることで、Skype for Business をすぐに無効にすることが可能です。そうすることで、すべての通話とチャットが Teams (Skype for Business でスケジューリングされた今後の会議を除く) に集約され、今後の会議は Outlook を介してスケジューリングされます。

Skype for Business と Microsoft Teams の違い
両者にはいくつかの類似点がありますが、近年その違いは大きくなっています。2018 年 7 月に、Microsoft は Skype for Business との「同等の機能」を達成したことを発表しました。これは、移行に気が進まないユーザーにとってのターニング ポイントとなったようです。2019 年には、各プラットフォームの機能を比較した表に示されているように、Teams の利点が明らかになりました。
Teams は、ビデオ会議とチャット機能に加え、ユーザーがファイルを共有し保存したり、会議をスケジューリングしたり、Microsoft ツールや さまざまなネイティブ アプリやサードパーティ アプリ とシームレスに同期したりできるフル サービス ハブです。一方、Skype for Business は、Microsoft エコシステムへの統合が少なく、コラボレーションをワンストップで行うことができません。
Skype for Business から Microsoft Teams に移行するには
Microsoft 365 を使用している企業の場合、Teams の機能はプランに含まれています。各ユーザーがプラットフォームに正常にアクセスし、操作できるように設定するだけです (詳細については、後ほど説明します)。IT チームは初めに、各ユーザーが Teams アカウントを持っていること、そして十分に安定した接続性とそれをサポートするアップグレード済みのデバイスを持っていることを確認する必要があります。
そして、変革を推進するには、強力な技術的基盤以上のものが必要です。Teams の登場により、従業員は新しい働き方にシフトすることになります。まず、メールや会議への依存度が低くなります。ユーザーはこのことについて、適切にトレーニングされる必要があります。Microsoft は、Teams に移行するための詳細なフレームワークの概要を説明し、オンデマンドのアップグレード計画ワークショップを提供しています。
Skype for Business と Teams は同時に使用できるか
ある程度の併用が可能です。パイロットテストを行う際に役立つオプションを Microsoft が用意しています。管理者は、次の展開オプションを利用して Teams への移行を徐々に進めることが可能です。
- 組織のユーザーが両方のクライアントを併用できる「重複機能方式 (アイランド モード)」: Teamsへの完全な移行を進める前に、Teams にどのような機能があるかを確認することができます。その間、Skype for Business の機能も引き続き利用することができます。この場合、Teams と Skype for Business の相互運用性はなく、両クライアント間でのメッセージの送受信はできません。
- 機能を部分的に Skype for Business または Teams クライアントに制限する「選択的機能方式」: Skype サービス提供終了日までの期間、チャット、通話、会議スケジュール機能をどちらのクライアントで利用するか指定することができます。ユーザーは引き続き Skype for Business の一部機能を使用し、業務を遂行しながら、部分的に Teams の機能を使い始めることが可能です。
どのような設定であれ、既存の Skype for Business ユーザーを除いては、両方のプラットフォームを併用することはできません。Microsoft は、2019 年 9 月に Office 365(現Microsoft 365)への組み込みを停止しました。従来の Skype 利用顧客は、サービス提供終了日まで新しいユーザーを追加可能ですが、新しく Microsoft 365 利用を開始し、Skype for Business を持っていない企業は Teams を利用する必要があります。
すでに Teams 機能があるのであれば、夏まで移行を待ってもよいのか
移行は簡単な部分もありますが、ワークフローと従業員の考え方の移行はかなり複雑になります。AvePoint のマーケティング責任者である Dux Raymond Sy は「移行には予想以上に時間がかかる可能性があるため、IT チームはできるだけ早く準備開始することが重要です」と述べており、Teams への移行を成功させるための 3 つのアクションプランを次のように提案しています。
- 経営幹部の賛同を得て、Teams の価値を強調する
- 合理化されたコミュニケーションとコラボレーションを体験できるよう、「Teams Only」モードを採用するようにアーリー アダプターにインセンティブを与える
- すぐに得られた成果とベストプラクティスを社内の人達と共有するよう Teams ユーザーに促す
ここ数ヶ月で、人生には予測できない事態が起きるということが証明されました。一方で、適切に展開され管理されたコラボレーション ツールは、たとえ職場がどこにあるとしても、劇的な影響を職場にもたらす可能性を秘めていることも分かりました。Skype for Business から Microsoft Teams への戦略的な移行により、従業員同士の繋がりは深まり、従業員はさらに柔軟に物事に対応する準備が整います。
「 Skype for Business 提供終了目前 ! 今確認しておくべき 5 つのチェックポイント」はいかがでしたか? 本記事が皆様の Skype for Business から Teams への移行段階の疑問に役立ちましたら幸いです。
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※この記事は、米国 AvePoint で 2021 年 1 月 20 日付で公開された記事 “Skype for Business End of Life: 5 Questions to Ask Now” を日本語編訳したものです。
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