Ignite 2019 セッション SharePoint 最新情報
Microsoft Ignite の初日、Microsoft SharePoint の父と呼ばれる Jeff Teper 氏が登壇して開催されたセッション「SharePoint、OneDrive、Office の Microsoft 365 コンテンツ コラボレーション最新情報 (The latest innovations in SharePoint, OneDrive, and Office for content collaboration in Microsoft 365)」では、数多くの発表がありました。今回の記事では、Ignite 2019 SharePoint OneDrive 最新情報 として、このセッションの内容まとめをお届けいたします。
“SHAREPOINT は単なる技術でありません。コミュニティなのです。” – JEFF TEPER
同氏は、まず SharePoint の月単位アクティブ ユーザーが 1 億人を突破 したとのニュースを発表しました。これは非常に大きなマイルストーンといえます。
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この記念すべき数字の発表に続き、新機能やプラン等が相次いで発表となりました。
Project Cortex: Microsoft Teams の発表以来の Microsoft 365 新サービスとなる Project Cortex (プロジェクト コーテックス) は、SharePoint の主要コンテンツ サービスでもあり、Microsoft Graph のインテリジェンスをベースに構成されています。
Project Cortex の概要は以下のとおりです。
- 毎日利用するアプリ・行う業務の流れの枠内で、利用者にナレッジ・インサイト・知見を提供することにより、従業員がより有効に業務を遂行できるようにする
- チームやシステムを横断してコンテンツを検知・整理・分類するためにAI を利用する
- インテリジェンスを取り入れたセキュリティとワークフローで、コンテンツを保護する
Project Cortex は情報を整理し、業務の流れの中でユーザーの目に触れる形で提示することにより、ユーザーがコンテンツを発見し、情報を取得することに貢献します。また、自動タグ付けも実行されます。
ここでは、以下のような技術が援用されています。
- 画像・テキスト認識: スキャンされた/アップロードされた画像を認識・イメージや PDF からテキストを抽出
- マシン ティーチング: 人間のエキスパートが、AI のトレーニングとティーチングを行い、非構造化ドキュメント群から情報を認識させることが可能に
インテリジェント イントラネット: インテリジェンスを活用することにより、従業員全体のコミュニケーション強化や情報提供を行う方法がさらにバラエティに富んだものとなります。ユーザー企業からのリクエストに応え、以下のような改良が行われました。
- SharePoint Home Sites: Microsoft Graph でインテリジェンスが強化されたランディング ページ。各企業のブランディングの枠内でニュース、イベント、ビデオ等を含むコンテンツを1 ページに表示可能。 (ロールアウト開始)
- Microsoft Search: Microsoft Graph に基づいた各ユーザー向けカスタマイズ検索モデル
トピックも検索に含まれる
- コンテンツ作成:
コミュニケーション サイトが多言語対応、ボタン一つで言語の切り替え
編集モードでバージョンを選択すると、追加・編集・削除された箇所がハイライト表示される
著作権フリーの写真を追加可能に
ページ スケジューリングで、オンライン発行時間の設定が可能に
- SharePoint Spaces: 3D オブジェクト、2D ドキュメント、360度ビデオの追加で、3D シーンの作成が可能に。すべてをページに統合可能、ヘッドセットを装着すればイマーシブ エクスペリエンスも利用可
Office アプリ関連更新内容
- 新 Office.com:
サイトをカスタマイズして Microsoft Search に統合する機能が追加
ドキュメント作成者に対し、コンテンツ作成時に従う必要のある社内ガイドラインをスムーズに提供
- PowerPoint:
Microsoft PowerPoint Designer で、ページ レイアウトから自社ブランディング デザインを選択可能。組織全体で指定したレイアウト、色、ブランディング デザイン等が自動適用されるため、組織内統一が実現できる
- Word:
他メンバーを @ メンション可能に
@ メンションを利用したコメントを Outlook 経由でタスクとして生成。自分に対する @ メンションに Outlook から返信も可能で、返信内容がそのままドキュメントに追加される
- Excel:
リアルタイム共同編集
共通ビューと切り替えできるプライベート ビューの作成が可能に
- 新 Office 365 モバイル アプリ:
- スマートフォンからも Office.com デスクトップに近いエクスペリエンスを提供。モバイル セントリックな機能も一部提供
OneDrive 更新内容
- ホバーカード で Outlook/Teams 経由でドキュメントにリンクされたメタデータと会話を表示
- OneDrive のファイルサイズ上限が 100GB に
- Delta Sync Technology がすべての Microsoft 365 ファイルに適用。デスクトップからクラウドへのスムーズな更新・同期
- アプリ内で PDF にサイン、アップロード
- Outlook と OneDrive の連携が強化され、Outlook モバイルを離れることなく OneDrive で作業が可能に
開発関連の変更点
- ドキュメント ライブラリ/リストへの機能追加:
色分け
特定のドキュメントをハイライト表示
ドキュメント承認のため、メタデータを自動でスタンプ
- カード ビュー:
ドキュメント ライブラリを Power Apps でカスタマイズ可能に。SharePoint のドキュメント ライブラリやリストのリッチ ビューを作成できる
- Teams 化:
SharePoint サイトに基づいたチームを作成できる
- Microsoft Teams 内での SharePoint ユーザー エクスペリエンスの強化
- Excel on the web で利用できる カスタム JavaScript Office Scripts の発表
その他全体的な強化点
- Fluid Framework 統合: エンド ユーザー エクスペリエンスのパブリック プレビュー、開発者向けのプライベート プレビュー提供開始。今後は Microsoft Teams チャット、Outlook のメール、SharePoint のポータルなど、様々な場所に展開される予定
セキュリティ & コンプライアンス更新内容
- 機密度ラベル:
一般、機密、トップシークレット の 3 種類。一部のメンバーやチームが、アクセス権限を持つべきでないドキュメントにアクセスすることを防止できる。これらのポリシーはラベル別に分類され、コンテナーやオブジェクトに適用できる
- 自動ラベリング ポリシー:
コンテンツを自動でラベリングするために利用できるルールを作成
- 情報バリア:
インサイダー取引対策など、連絡を取り合うことで問題が生じるメンバー同士の連絡をブロック
- 権限管理:
フィルター、グループを作成し、複数の管理タスクをより簡単に実行可能