ハーブリッジ:絞り込むのは難しいですね。しかし、強いて言えば「多額の所有コストにもかかわらず、ビジネス部門が適切な形で活用できていない」ことでしょうか。Microsoft 365 は、結局のところデジタル体験のプラットフォームであり、ビジネス部門を強力にサポートする様々な機能が多数搭載されています。継続的な維持とビジネス部門のサポートが必要です。もうひとつのミスは、リーダーシップやギャップ等を IT 部門が担当し、ビジネス部門が関与していない状態です。こうなると IT 部門の所有コストは過剰になり、ビジネス部門によるテクノロジー プラットフォームの運用方法に関わらず、IT 部門があらゆるものを適切に管理しなくてはならなくなります。ですから、管理における最大のギャップは、IT 部門とビジネス部門の関係性なのです。ビジネス部門がいかに IT を支援し、スケーラブルでいられるかが重要になります。ありふれた話にも聞こえますが、実際のところほとんどのお客様にとってはこれが最大の課題です。
ですから、ベースラインとなるデューデリジェンスは必要かもしれませんが、引き継ぎを行い、少なくとも一部の管理レベルの機能をビジネス部門が実行し、それを IT がサポートするという選択肢も考慮すべきです。組織のリーダーの中には、自分たちにも IT 部門と同様にデジタル エクセレンスの責務があることを十分に理解できていない方もいるように見受けられます。問題の多くは、そこに起因しているのではないでしょうか。
バックリー:そういった側面は間違いなくあるでしょうね。
ハーブリッジ:他にも、ビジネス部門のリーダーが突然、IT 部門の推奨していないテクノロジーの使用を決めてしまうというケースもあります。そうして Microsoft 365 と比べてセキュリティが甘く、たくさんの課題を抱えている Dropbox や Box を使い始めてしまうわけです。しかし、IT 部門はそれをサポートせざるを得ません。承認されていないファイル共有ツールですから、サポートにもコストがかかります。
バックリー:ガバナンスは、当然ながら一度限りのものではありません。ガバナンスは、テクノロジーがどう変化し、ビジネスニーズがどのように変化しているか、さまざまな関係者との継続的な協調が必要な作業です。シャドー IT についても話さなければいけません。シャドー IT を話題にしなければ、ユーザーは組織で承認されていないサードパーティのソリューションを躊躇せず使うでしょう。先ほどもお話があったように、ユーザーを教育し、公式のソリューションで何ができるかを周知していくことが大切です。