SharePoint にファイルが集まることで生まれる新たな悩み
エンド ユーザーに 「使いやすい」 と感じてもらえる情報基盤の条件とは何でしょうか? 操作性の高さや動作の速さなど、さまざまな要因が存在するかと思いますが、そのうちの重要な一角をなすのは、「情報の見つけやすさ」 ではないでしょうか。しかし、厄介なことに、この 「情報の見つけやすさ」 は、情報基盤のエンド ユーザー利活用率が進めば進むほど低下する傾向にあります。
前回 の記事では、Office Connect の導入により、Outlook やデスクトップなどに散在するファイルを SharePoint に集約する仕組みを作りました。しかしながら、エンド ユーザーが SharePoint にきちんとコンテンツを格納するようになるということは、従来よりもはるかに多数 (場合によっては数倍) のファイルが SharePoint に格納されはじめる、ということでもあります。これにより、「ファイルが多すぎてどこに何があるか分からない」 という、新たな悩みが生まれてしまうことにもなります。 これは、例えて言うなら、「これまで床に散らばっていた書類をすべて棚にしまうようにしたら、棚の中がすぐに書類でいっぱいになり、目指す書類がなかなか見つからない」 という状況に似ています。
エンド ユーザーにとっても IT 管理者にとっても使用しやすい環境を構築するには、「格納後」 にもう 1 ステップを置き、入れたファイルがきれいに整理されるようなシステムを作る必要があります。
SharePoint に集まるドキュメントにタグ付けして、ファイルの 「見つけやすさ」 を高める
SharePoint ドキュメントの整理整頓の方法として有効なのが、ドキュメントに対するタグ付けです。タグ付けすることにより、情報の見つけやすさを高めることができます。 先日のブログ記事で、ドキュメントの機密度レベルに応じてタグ付けができる弊社製品 「Compliance Guardian」 の機能をご紹介 しました。実は Compliance Guardian でタグ付けの基準として使用可能であるのは、機密度レベルだけではありません。例えば、ファイルの中に 「あるキーワードが含まれていれば、このタグを付与する」 と定義しておき、その指定したキーワードがファイルに含まれていれば、ファイルをスキャン時したにタグ付けを実行する、などの操作も可能です。
多種多様な製品ドキュメントも、タグ付けで整理整頓できる
弊社では、コンプライアンス強化製品をはじめ、30 種類以上の製品をマーケットに送り出しており、各製品に関する技術的な資料から製品カタログまで、多くのドキュメントが作成されています。
こうした製品関連のドキュメントを、「インフラ管理」、「コンプライアンス」 など製品のカテゴリーを基準に分類し、Compliance Guardian を利用してタグ付けをすることができます。 あらかじめ 「コンプライアンス」 などのキーワードを Compliance Guardian で定義しておき、SharePoint にドキュメントをアップロードする際に、その定義したキーワードがドキュメントに含まれていれば、”Compliance Guardian” などのメタデータをタグ付けするという操作を実行することができます。
また、SharePoint に置かれた既存のドキュメントに対しても同様に 「定義したキーワードが含まれていれば、指定した格納場所 (ドキュメントライブラリなど) に移動(ルーティング)する」 という操作も可能です。このタグ付け機能とルーティング機能により、ドキュメントにタグ付けがされ、ファイルが正しい場所に保管されるため、すぐにドキュメントを見つけることができます。
Compliance Guardian で、SharePoint ドキュメントにタグ付けをする
では、実際の画面で見てみましょう。 1) 【Compliance Guardian】 ポリシー定義の段階で、タグ付けのトリガーとなるキーワードを登録します。
2) 【SharePoint】 アップロード時、自動的に Compliance Guardian がタグ付けを実行します。 (この場合、「Compliance」 というキーワードが含まれているため、「AvePoint Product」 列に「ComplianceGuardian」 というタグが付与されます)
3) 【SharePoint】 ファイルにタグ付けが実行され、SharePoint にアップロードされます。
まとめ
Office Connect と Compliance Guardian を連携させた文書管理術、いかがでしたでしょうか。せっかく SharePoint を導入するのであれば、エンド ユーザーが使いやすく、必要な情報をすぐに見つけることができる基盤にしたいものですね。SharePoint 利活用促進に、少しでもご参考になれば幸いです。