前回 に続き、FEST 2015 が日本でのお披露目となった、「コラボレーションのカタチを変える」 会議支援デバイスである Surface Hub について書かせていただいています。
当エントリーでは、セッション終了後に実機体験コーナーで実際に Surface Hub を触ってみた感想と、セッションで登壇された日本マイクロソフトのエバンジェリストである鈴木敦史氏と、実機コーナーで詳しい製品紹介をしてくださったソリューション スペシャリストの山本築氏に伺ったお話から学んだことを中心に書かせていただきます。デモやセッション等でお忙しい中、快くお話くださいました鈴木氏・山本氏に、この場をお借りして心より御礼申し上げます。
【いよいよご対面! Surface Hub】
充実のセッションを終え、さあ今度はいよいよ実機に触ってみよう! と、Expo 会場のデモ コーナーへ。
ありました、ありました! 84 インチ型が Windows Zone の壁際にデーンと置いてありました! (一回り小さい 55 インチ型は Windows Stage のステージ上に設置してあったようですが、そちらは触る機会がありませんでした。残念!)
デモ コーナーには私と同じく、セッションに出席したと思しき見学希望の方がたくさんいらっしゃり、デモ コーナーに詰めていらっしゃる担当者の方々の話に、熱心に聴き入っていました。私もさっそく Surface Hub 周辺にできている人の輪に加わります。
間近で見た Surface Hub の印象は、「うーん、やっぱり大きい!」 でした。一般的なホワイトボードと比較すれば、220 cm× 117 cm はそこまで大きいとはいえないのですが、解像度が高く、美しい映像をきれいに映し出せるスクリーンの存在感で、実サイズより大きく感じるのかもしれません。
実機体験コーナーということもあり、参加者の皆さんは代わる代わるペンでホワイトボードに文字や絵を書いたり、「ペンを手に取るとホワイドボードが起動する」 プロセスを試されたりと、セッションで紹介された機能を試していらっしゃいました。画面が切り替わったり、ソフトが起動したりという一見小さな動きにも歓声が上がっており、参加された皆さんも本当に楽しそうでした。大の大人を、新しいおもちゃを夢中になって眺める子どものような表情に変えてしまう Surface Hub の魔力、おそるべし。
【Surface Hub 画面上で、迫力のマップ体験をしてみた】
さて、待ちに待った実機体験の順番が回ってきました! セッションで見た 「地図を表示させて、一区画を切り取り、ホワイトボードに貼り付ける」 という操作を、今度は目の前で見てみたいと思います。実機の横にはマイクロソフトの担当の方が詰めておられるので、さっそく操作をお願いしました。
あの、せっかくなので、品川にある弊社、AvePoint の東京オフィスを地図で表示してみたいのですが・・・?
「いいですよ。場所はどのあたりですか?」
えーっと、品川駅の高輪口の目の前なんですが。プリンスホテルのすぐ横のあたりです。
「高輪口、プリンスホテル近くですね。では、ズームインします」
おおおー! ストレッチ操作の指の動きに合わせ、地球の全図から日本へ、日本から東京へ、東京から港区へと、画面上の地図に見る見るうちにズームインしていきます。大きい画面に立体感たっぷりに表示された地図がどんどん一点凝縮されていく過程は、まるでスカイダイビングのようで非常に迫力があり、目を引き付けます。
「プリンスホテルの隣でしたら、この辺ですか?」
おおおおおー!! そうです、そうです! いやー、立体感がありますねえ!
「ありがとうございます。では、この中のさらに一部分だけカットして、ホワイトボードに貼ってみましょうか。ホワイトボードに貼れば、字も絵も描けますよ」
おおおおおおー! 本当にワンタッチで切り取れた!! そしてワンタッチでホワイトボードに貼れた!!
緑の渦巻きと青のスマイリー マークは、一緒に実機体験をした方に書いていただきました。カクカクしたところも少しもなく、くっきりはっきり、きれいに見えます。
【Surface Hub のホワイトボードに字も書いてみた】
「ペンか指で、字も書いてみますか?」
書きます、書きます! せっかくなので AvePoint カラーの赤で書きたいのですが、いいでしょうか?
「文字色の切り替えもボタン 1 つでできますよ。赤をタップしてみてください」
スクリーン下部のセクションで赤を選択すると、緑色だったペンの色が赤に切り替わりました。いよいよ、ペンを握って書いてみることにします。
書き心地は、ちょっと硬めの本物のホワイトボードのような感じ。しかし、本物のホワイトボードによくある、ペンのインクが足りなくなってきて字が薄くなったり、手の角度によって文字の濃淡ができてしまったり、気が付いたらインクが手にべったりついてしまったりというイライラがありません。濃淡が出ないということは、力を入れなくてもスルスルとペンが滑るということでもあるため、無駄な力を入れずに気持ちよく字を書くことができます。
これまでスクリーンに字を書く機会といえば、クレジットカードの電子サイン機器を使用するときくらいのものでした。電子サイン機器もペーパーレス化推進という点ではメリットが大きいのでしょうが、いざタッチ ペンを使ってサインをしてみると、文字はどうしても不自然にカクカクしてしまうし、書く速度に機器がついていけていないように感じることも。しかし、Surface Hub では驚くほどスムーズに字が書けました。
ホワイトボードに字を書く、という非常に基本的な行動も、最新のテクノロジーが詰まった Surface Hub 上でやってみるだけで、こんなに新鮮に感じるものなんですね。
【顧客とのコラボレーションで広がるユースケース: Surface Hub の可能性は無限大!】
実機体験後、デモ コーナーに詰めていらした日本マイクロソフト株式会社所属ソリューション スペシャリストの山本築氏、そしてセッションで登壇されたエバンジェリストの鈴木敦史氏に、それぞれお話を伺うことができました。
山本氏は、ワークスタイル変革 を推進するためのきっかけを、Surface Hub の導入が作ることを期待されているそうです。ワークスタイル変革が、例えば 「育児や介護などに携わる、一部の人たちだけのための特別措置」 と捉えられてしまっては勿体ない、組織の全員が利用してワークライフ バランスを実現することが大切だとお考えの山本氏。Surface Hub の珍しさや存在感にひかれて人が自然と周りに集まってくれば、そこから新しいコミュニケーションや発想が生まれ、試しにオンライン会議をしてみよう・コラボレーションをしてみようという動きが生まれてくるのではないかという期待を語ってくださいました。
セッションの終わりに、Surface Hub という名前に込められたメッセージについて語られていた鈴木敦史氏。「ハブ (Hub) 空港」 は、その地域の移動・輸送の中心として機能する空港を意味しますが、Surface Hub 同士がつながることにより、様々なデバイスと場所とが連携し、個人の生産性をチームの力に変えていくことができるようにとの願いを込め、Surface Hub と名付けられたのだとか。
さて、気になる活用方法ですが、鈴木氏によると、アメリカでは社内コラボレーション促進のためなどあくまで B2B のためのツールとして検討されることが多いのに対し、日本では 「画面や動き方にインパクトがあるので、自社の顧客向けに活用したい」 という意見も多く出てきているそうです。
例えば、証券会社でのセミナーや顧客説明会、塾など教育機関での授業、ショールームでのディスプレイなど、活用が考えられる層は非常に広いとのこと。顧客の意見や案を取り入れてさまざまにユースケースが生まれる、いうなれば 「顧客とのコラボレーション」 で用途が無限に広がる、それが Surface Hub というデバイスであるといえるのではないでしょうか。
日本では、早くも 日本航空株式会社 (JAL) からワークスタイル変革の一環として 導入意向が表明 されており、またグループ会社である 株式会社JALエンジニアリング では、整備士業務の円滑化を目指した航空機整工場での実証実験が予定されています。残念ながら参加することはできませんでしたが、DAY 2 のキーノート 「企業に求められるビジネス変革とは。ITで何を変え、何を始めなければならないか?」 には、日本航空株式会社整備副本部長・株式会社JALエンジニアリング常務執行委役員の北田裕一氏が登壇され、導入表明までの経緯やどのように活用していきたいかなどについて語られていました。
日本の企業内コラボレーションを活性化するべく、様々な製品を世に送り出している AvePoint にとっても非常に興味深い Surface Hub。多くの可能性を秘めたデバイスの今後の動向が大いに注目されるところです。