マーケティングの平田です。
先日、PFU主催の 「PFU IT Fair 2015」 に参加してきました。
会場となった目黒雅叙園には、紙文書の電子化を行うことのできる業種別スキャナーがディスプレイされていました。来るべきマイナンバー制度に備え、個人確認用書類を電子化する自治体向けマイナンバースキャナーや、本など見開きの原稿を裁断することなく電子化できる冊子タイプのスキャナー、さらには自動電子税関システムなどがありました。紙文書のスキャナーだけではありません。同社のスキャン技術は、クーポン発券やチケット発券といった情報端末にも使われているそうです。ディスカウントストアの ドン・キホーテの店頭にあるクーポン券発行端末もPFUさんの製品 なんだそうです。実に、普段の生活の様々なシーンで利用されていることに気付きました。
こうしたスキャナーの優れた点は、ちゃんと文書を読み込んで電子化するだけにとどまりません。スキャナーから取り込んだ文書に対して検索などもできてしまうのだそうです。ちなみに、今回は展示会場の隣に 「コンパクトスキャナ」 が当たる抽選会場が併設されていました。なんと来場者バッジの QR コードを同社のスキャナーにかざすと、スロットが回って当選が決まるというものでした。同社ならではですね!
ワークスタイル変革を自社実践
また、顧客企業やパートナー企業による講演や自社セミナーなど多数のセッションが目白押しだったのですが、その中でも AvePoint Japan も推進している 「ワークスタイル変革」 に関するセミナーを聴講してきました。
「PFUが実践したオフィス移転と紙文書のスリム化」 という題で、京浜地区にあった複数の事業所を統合して横浜オフィスに集結させることをきっかけに、どのようにワークスタイル変革を自社実践したかを紹介されていました。具体的には、「紙文書のスリム化」 という施策でワークスタイル変革に取り組みました。同社は PFU スキャナーを利用した紙文書の電子化によって紙文書の量を徹底的にスリム化。紙から脱却し、場所・時間にとらわれない働き方ができる環境整備を目指しました。セミナーでは、新オフィスのスペース有効活用につなげるまでの道のり(片付け→引っ越し→新オフィス移転)が説明されていました。
紙文書を平積みしてみたら…
移転前にオフィスにあった紙文書の量を平積みすると、なんと東京スカイツリーの高さ3倍に達するほどだったとのこと。ご存じのように、様々な文書の保存が法令で義務付けられており、保存期間も定められています。企業は保存場所の確保に追われているのはないでしょうか。
まずは各部署が、利用頻度や利用価値などの基準から、紙保存・電子保存・廃棄で紙文書を分類しました。次に、電子保存の対象となった紙文書については、PFU のスキャナー 2 台 (fi Series および ScanSnap) を利用して電子化します。そして、ファイルを Knowledgelake 社のソフトウェアも活用し SharePoint 2013 に保存したそうです。さらに、紙文書の電子化を推進するため、文書管理の統一ルール(ファイル命名規則や索引など) を策定し、全社に普及させるための取り組みも開始しました。
紙がなくなったらスペースが空いた
同社は 2014 年 10 月に横浜新オフィスに移転。最終的に移転前に社内にあった紙文書の 92% を削減することに成功したそうです。その結果、紙文書の保存場所にしていたスペースが空いたので、そこに様々なコミュニケーションの 「空間」 を作ることができたといいます。例えば、休憩スペース、オープン会議室、個室の会議室などを設けることができたとのことでした。さらに移転先のオフィスには、PFU製品が並ぶ 「スキャンルーム」 を設け、誰でもスキャンができる環境が整えられているとのこと。ぜひオフィスを訪問してみたいですね!
同社や公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会によると、e-文書法の改正により、今後、税務関係書類の電子化保存については大幅な規制緩和がなされるようです。オフィスの紙文書を減らす取り組みをしている企業や組織にとっては追い風になりそうな動きですね。
「ワークスタイル変革」 には実に様々なアプローチがあります。紙文書からの脱却 (紙文書の電子化) + SharePoint を活用した文書管理という方法を採った同社。一つの取り組み事例として大変興味深かったです。