日曜日, 5月 19, 2024
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RPA とは?できることや導入の効果、導入の流れをわかりやすく簡単に解説

RPA は、定型的な業務を自動化し、業務効率と生産性を向上させるツールです。定型作業を自動化させることは、人員不足の解消や従業員のモチベーションアップなど、多くのメリットがあります。

この記事では RPA の基本的な知識と導入の効果、できることについて解説します。導入の手順も紹介しているので、RPA を検討している方はぜひ参考にしてください。

RPA(Robotic Process Automation)とは?

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、ソフトウェアロボットを用いて人間が行うルーチンな作業を自動化する仕組みです。Excel や Web ブラウザなどで行うルーチン業務を、PC上のロボットによって実行します。

RPA ツールと呼ばれるソフトウェアを利用し、人が実施していた作業を登録し同じように実行させるツールです。人に代わって作業を行うので、仮想労働者といわれることもあります。

自動化によって手作業で行っていた業務が効率化され、生産性向上や人材不足の解消、手作業によるヒューマンエラーの解消にも役立ちます。近年注目されている DX 化に欠かせないツールといえるでしょう。

RPA でできることとは?

RPA は、手順が決められており、繰り返し行う業務を得意とします。また、PC上での複数システムを行き来する作業や大量データを処理することも可能です。具体的には以下のような作業の自動化を行います。

  • フォームやスプレッドシートへのデータ入力作業
  • データの抽出や集計、レポートの作成
  • Excel データを専用アプリに自動入力
  • 請求書の発行
  • 問い合わせへの自動応答
  • 顧客情報の管理
  • ウェブサイトのスクレイピングや情報収集
  • SNS 上の口コミ収集

RPAに苦手分野はある?

RPA はルールや法則にのっとって動作するため単純で反復的な作業には向いていますが、判断を伴う作業や手順がルーチン化されていない業務には適していません。苦手とされるのは以下のような分野です。

  • 人間の判断や経験が必要なタスク
  • 専門的な知識やスキルが必要な作業
  • 企画の立案などのクリエイティブな業務
  • 急な仕様変更が生じる業務
  • ルール化されていない非定形業務
  • 紙媒体のデータ認識

以上のように、RPA は特定の業務領域においては効果を発揮しますが、判断や推論が必要な業務や複雑なデータ処理、人間の創造性や感性を必要とする業務は不得意です。上記のような場面では、RPA と AI や機械学習、自然言語処理などの技術を組み合わせ、実行する必要があります。

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RPAと他の技術やツールとの違い

自動化に役立つツールは、RPA の他にも複数存在し異なる特徴を持っています。特徴と違いを把握し、適切な場面で使用しましょう。

それぞれの特徴と RPA との違いは以下のとおりです。

VBA・マクロとの違い

VBAやマクロとの違いは、自動化できる範囲です。VBA・マクロは Excel 内での作業を自動化するのに対し、RPA は複数のアプリケーションやシステムを統合して作業を自動化します。また、VBA・マクロはプログラミング言語の知識が必要なため、使用の難易度が高めですが、RPA は直感的に 操作できるため使い勝手が良く導入が簡単です。

導入コストに関しては、VBA・マクロは Office が導入済みであれば追加費用はかかりませんが、RPA の場合はシステム構築やツール使用料が必要です。

AIとの違い

AI との違いは、自律的判断ができるかという点です。RPA は主に反復的な業務の自動化に特化しており、何かを判断したり学習したりする機能はありません。

一方、AI はデータからパターンやルールを学習し、推論や予測を行います。機械学習によってデータに基づいて法則を見つけ出し、自動化する技術です。RPA が作業を行うツールとすれば、AI は考えるツールとイメージするとわかりやすいでしょう。

AI と RPA は、組み合わせて使用することで、より高度な業務自動化が実現できます。

Bot(ボット)との違い

Bot は主に対話型のタスクや情報提供に使用され、特定の目的に向けて設計されます。顧客サポートや予約管理、社内トレーニングなどに役立つ技術です。Bot はチャット形式などでテキストや音声を通じて対話し、コミュニケーションツールとしても活用されます。

一方 RPA はプログラムされたルールに従って、業務を自動化するツールです。決まった条件や手順に応じて作業を実行します。RPA は受注商品のリスト化や納品書の作成など、バックオフィス業務に活用されます。

産業用ロボットとの違い

産業用ロボットは、物理的な作業を行うために設計された機械装置です。工場や生産ラインなどの産業現場で使用され、自動組立、検査、溶接、搬送などの作業を担当します。一方、RPA は、ソフトウェアロボットを用いてデジタルな作業を自動化する技術です。

産業用ロボットを導入するには、大規模な設備や環境の変更が必要ですが、RPA は比較的容易に導入できます。産業用ロボットは主に生産現場での作業を担当しますが、RPA はオフィス業務やビジネスプロセスの自動化に使用されます。

RPAの自動化レベルとは?

RPA の自動化レベルとは、RPA が実行する作業の複雑さや自動化の程度を表す指標です。 自動化のレベルに応じた 3 段階のクラス分けがあり、自動化レベルは以下の 3 つに分類されます。

  • クラス 1 :定型業務の自動化
  • クラス 2 :一部非定型業務の自動化
  • クラス 3 :意思決定の自動化

一つずつ解説します。

クラス 1 : RPA

クラス 1 の RPA は、基本的なルーチンワークやタスクなど、比較的単純な作業の自動化を行います。対応できる主な業務は次のとおりです。

  • データ入力やファイル操作などの単純な作業
  • メールの自動送信や受信の処理
  • 同じ手順や操作を繰り返し行う作業

思考を必要とせず、あらかじめ決められた手順に従って同じ動作を繰り返す作業を自動化します。日々の定型的な業務を自動化するレベルです。

クラス 2 : EPA

クラス 2 は RPA と AI 技術を組み合わせ、一部の非定型業務を自動化します。対応できる主な業務は次のとおりです。

  • 音声認識の自動化
  • 画像処理の自動化
  • 例外処理の実行

定型的な業務だけでなく、質問と回答が定型的な顧客からの問い合わせに対応するなど、状況に応じて対応が変わる作業を実行できます。請求書のスキャン画像から必要な情報を自動抽出したり、登録された情報を複数のシステムに同期し必要な情報を共有したりなど、複雑な業務も可能です。

クラス 3:CA

クラス 3 は、より高度な AI や機械学習と連携した高度な自動化です。判断や推論を含む業務を自動化します。対応できる主な業務は次のとおりです。

  • データ解析や予測分析
  • 自然言語処理を活用した顧客サポート
  • 意思決定や問題解決を含む業務

クラス 3 のレベルでは、契約書のテキストを自然言語処理(NLP)を使用して解析し、重要な条項や条件を抽出する、というような処理も可能です。製造ラインで製造された製品の画像を分析し、欠陥や不良品を検出することもできます。

これらのレベルは、RPA が実行する作業の複雑さや自動化の程度を理解するための指標として使用されます。企業のニーズや業務に適したレベルに合わせ、導入する RPA を選択しましょう。

RPA が求められる理由

RPA の導入は、以下のような問題を解決できる有力な手段となり、多くの企業で求められています。

  • 生産性の向上や人員不足への対策
  • コストの削減や労働環境の改善

具体的な理由は以下のとおりです。

生産性の向上や人員不足への対策になる

RPA の導入でこれまで手作業で行っていた業務が自動化されると、作業効率が改善され、生産性が向上します。

また、単純作業やルーチンワークは、疲労や慣れなどによりエラーが発生しやすくなりますが、RPA は機械によって正確に実行されるため、ヒューマンエラーのリスクは減るでしょう。反復的でルーチンな業務が自動化されると、従業員はより高度な作業や優先すべき業務に集中できます。

また、RPA を活用すれば少ない人員で業務を行えるため、人員不足の対策としても有効です。業務の自動化、スピード化により、限られた人員でも効率的に業務を処理できます。エラーも減少するため業務の品質が確保され、企業の業績向上や競争力の強化につながるでしょう。

コストの削減や労働環境の改善につながる

RPA を導入すれば、これまで人間が行っていた作業を機械が行うため、人件費の削減につながります。業務が高速かつ効率的になり業務プロセスも縮小されるので、全体的なコスト削減が期待できるでしょう。必要に応じてカスタマイズできるので、業務規模やプロセスが変わった場合でも新しいシステムを導入する必要がなく、長期的なコスト削減にも役立ちます。

また、従業員は単純かつ反復的な作業から解放され、モチベーションの向上やストレスを減らす効果も見込めます。残業時間の削減につながり、労働環境が向上するため、離職防止の効果も見込めるでしょう。

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RPAの導入事例と効果

RPAの導入により、業務の効率化や精度の向上が実現されています。例えば、銀行業務や保険業務では、顧客情報の入力や処理を自動化することで、作業時間の短縮やエラーの削減がはかられています。

総務省の調査によると、大手都市銀行では RPA の導入により年間で 8,000 時間の事務処理作業を削減したという事例が報告されています。ルーチンワークが自動化されたことで、空いた時間を他の重要な業務に充てられるようになったとのことです。銀行の業務は RPA が得意としている決まったルールで定型的な業務が多く、相性が良いため大きな効果が表れています。

RPA の導入の流れ

RPA を導入する際は、目的や目標を明確にし、企業に合ったツールを選定することが重要です。多数のツールが提供されているので、比較検討する際のポイントも把握しておきましょう。

導入までの基本的な流れは以下の通りです。

導入の目的と KPI を明確にする

まず、RPA を導入する目的とその目標を明確に定義しましょう。一般的に生産性の向上、コスト削減、エラーの削減などが目標にされています。また、導入後の成果を評価するための KPI(Key Performance Indicators)も設定し、導入効果を定量的に評価することも大切です。

現在の業務プロセスと業務量を洗い出し、どのような業務を自動化するのか、導入後の効果をどのように評価するかを明確にしましょう。

PRAツールを選定する

次に、導入する業務やシステムに適した RPA ツールを選定します。選定する際には以下のような要素を考慮しましょう。

  • 導入する RPA ツールが、業務に適した機能や自動化のレベルを提供しているか
  • RPA ツールの使いやすさや UI(ユーザーインターフェース)の親和性
  • 導入後のトラブルシューティングやサポート体制が整っているかどうか
  • ツールのライセンス費用や導入にかかる費用が予算に合っているか

満足度の高いツールにするためには、実際に業務を実施している従業員の声を集め、自動化を望む業務を聞き取ることが重要です。

ツールによっては無料で使い勝手を体験できるトライアル期間を設けているところもあるので、使用感を確かめてから導入を検討することをおすすめします。

導入の準備を行う

最後に選定した RPA ツールを導入するための準備を行います。まず、導入プロジェクトチームの設置や IT 部門の連携など、運用体制の整備を行います。

社内説明会を設け、業内の関係者に対して十分な説明会を行うことも重要です。導入の背景や目的、導入計画やスケジュール、期待される効果などを明確に伝え、理解を得ることで効果的な運用が見込めます。マニュアルやサポート体制を整備し、使い方がわからなくなったときや質問があるときに対応する窓口も導入前に決めておきます。

導入後はナレッジを共有・更新し、マニュアルの整備や FAQ の作成など、ブラッシュアップする体制を整えておきましょう。

以上のステップを踏むことで、効果的な RPA の導入を実現することができます。組織全体が RPA の運用に向けて一体となるように、事前に環境と整えてからスタートさせましょう。

RPAで業務の効率化をはかろう

RPA はルールが定められた定型的な業務を自動化するツールです。これまで手動で行っていた作業を自動化することで、生産性の向上や人員不足の解消、従業員のモチベーション向上などさまざまなメリットがあります。

導入する際は、目的と効果、予算との兼ね合いを考え、企業に合ったツールを選定しましょう。実際に使用する現場の意見を反映し、説明会やサポート窓口を設けることも重要です。

無料期間を利用して実際の使用感を試してから選定すると、満足度の高いツールが導入できるでしょう。

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