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Microsoft Purview とは? を解説

Microsoft が提供するデータ ガバナンスやデータ保護のソリューションは多岐にわたりますが、「コンプライアンス」の名のもとでまとめられており、少々分かりづらいという声もありました。そこで誕生したのが Microsoft Purview です。実際のところ、Purview によって何が変化し、これから何が提供されていくのでしょうか。

7 月第 4 週の #O365 Hours では、Microsoft のシニア プロダクト マーケティング マネージャーのエリカ・トエル氏とステファニー・ハース氏に、Microsoft Purview の概要と価値、そして Microsoft がコンプライアンス サービスのリブランディングを決定した理由について伺いました。ぜひこの記事で内容をご確認ください。インタビューの全文をお読みいただくことも可能です。

ゲスト:エリカ・トエル氏 (Microsoft、データ ライフサイクル管理およびレコード管理 シニア プロダクト マーケティング マネージャー)、ステファニー・ハース氏 (Microsoft、Microsoft セキュリティ シニア プロダクト マーケティング マネージャー)

トピック:

  • Microsoft Purview とは
  • Purview とこれまでの管理サービスはどう違うのでしょうか。Purview でなくなった要素はあるのでしょうか。
  • Microsoft はなぜ Purview にリブランディングしたのでしょうか。
  • 今後、どのような展開が期待できるのでしょうか。

Microsoft Purview とは何か 

ハース: Microsoft Purview は、基本的には製品ポートフォリオです。お客様やパートナー企業、そして当社の販売担当者からも、「コンプライアンス」という名前は多くの人にとって意味が非常に幅広いため、あまりしっくりこないというご意見をいただいていました。コンプライアンスという言葉では、Microsoft が提供する製品ポートフォリオをカバーしきれていなかったのです。そこで最終的に、この分野についてよりうまく伝えられる方法を考えました。そして、お客様によるあらゆるデータの発見、保護、ガバナンスを包括的に支援するには、これまでのデータ ガバナンス機能と旧 Azure Purview、Microsoft 365 コンプライアンスのコンプライアンスとリスク管理ソリューションを統合した方が良いという結論に至ったのです。

Purview とこれまでの管理サービスの差異、Purview でなくなった要素はあるのか

トエル:とてもいい質問です。まず、Purview によるライセンスの変更はありません。製品についても、まだ何も変わっていません。Purview は、データ ガバナンスと情報ガバナンスにおける新しく革新的なカテゴリーと呼べるでしょう。Microsoft Purview というアイデアを通じて、統一されたプラットフォームがお客様にもたらす恩恵について伝えていきたいと考えています。これは、自分たちが目指すべき方向が見えないと達成は容易ではありません。

ハース:その通りです。シンプルに言えば、私たちは Microsoft Purview を通じて Microsoft の様々な製品をまとめる骨組みを構築したと言えます。エリカが指摘するように、ライセンスの問題などの歪みを生じさせるものではなく、製品名が変更されるだけです。今回のリブランディングを通じて、この分野において私たちがコンプライアンスとデータ ガバナンスだけでなく、リスク管理、コンプライアンス、情報、保護、データ ガバナンスを単一のプラットフォームでカバーし、あらゆるデータの可視性を確保していくという位置づけを明確化したいと考えています。

Purview にリブランディングした理由 

ハース:これまで様々な調査を行った結果、コンプライアンスとデータ ガバナンスのオーディエンスは、市場環境と同様、極端に細分化されていることがわかっています。非常にニッチなシナリオに対応するポイント ソリューションは数多くありますが、全体的な状況を把握するソリューションは多くありません。また、私たちが取り組んでいるコンプライアンス業務においては、コンプライアンス リスクが非常に重視されていることが判明しました。データ ガバナンスのソリューションだった Azure Purview の中でも、データ担当者は非常に大切な役割を担っていました。データ担当者に「ぜひ話し合いに参加してください」と伝え、対話の席についてもらう取り組みはお客様からもポジティブな反響がありました。

以前はこの要素が取り入れられておらず、対話の機会を欠いていました。他にも、この分野では課題に対処するために大半のお客様が 3 つ以上の製品を利用していることがわかっています。これを受けて、私たちはソリューション群を統合し、包括性を高めることを主目的としています。ソリューションをすべて統合し、あらゆるペルソナと対話を進め、それぞれのニーズやユースケースに対応することで、市場の他のソリューションから抜きん出たツールを提供できると考えています。また、リブランディングにより、私たちが取り組んでいる課題すべてがビジネスにおいてお互いに関連しあった問題であり、解決可能だと示すことができます。

今後、どのような展開が期待できるのか 

トエル:まず、私たちは常にフィードバックに耳を傾けています。次に、昨今は特にプライバシー分野をはじめとして新たな規制が増えており、最高セキュリティ責任者や情報セキュリティ責任者は、これらの規制を遵守する必要があります。これをユースケースやワークフローの観点から定義していくと、実際にどのようになるのでしょうか。そして、それをコード化するとツール上でどのように見えるのでしょうか。この答えはまだ誰も知りません。私たちは新たな道筋を作り出し、答えを導き出そうとしています。ステファニーは、今後についてどのように考えていますか。

ハース:将来的には、ふたつの製品でいくつかの統合が予定されています。ですから、E5 コンプライアンスのソリューション群と旧 Azure Purview の間に、いくつかのつながりが生み出されていくでしょう。しかし、現在はこのビジョンのもと構築していくことに集中しています。エリカも言ったように、これを実現するには膨大なイノベーションと多くのエンジニアリング作業が必要です。データ ガバナンスとコンプライアンスの未来を楽しみにしていますし、懸念や課題の解決に貢献できることを嬉しく思います。そして、ユーザーからのインプットをいち早く製品に反映させたいと思っています。

バックリー:ユーザーからのフィードバックはどのように得るのでしょうか。顧客やパートナーのパネルに参加する必要があるのでしょうか。また、Microsoft MVP の意見でなければ届かないのでしょうか。それとも、フィードバックを送れる場所があるのでしょうか。

トエル:それについては最近よく考えています。意見送信の方法はいくつかあります。従来の方法として挙げられるのが、Microsoft のサポートから「DCR (デザイン変更リクエスト)」と呼ばれる要望を提出することです。製品チームは間違いなくすべての要望に目を通しています。そういった正式なリクエストのおかげで、自分たちが作成した機能がお客様のビジネスにどのような影響を及ぼすのかを確認できています。

また、新機能として、誰でもログインして Purview の製品フィードバックを送れるカスタマー ボイス機能も導入しています。サポート チケットの提出方法がない場合、または製品を所有しており既に使用している場合は、カスタマー アドバイザリー ボードに参加することも可能です。そしてもちろん、MVP との継続的なエンゲージメントもあります。すでに良好な関係を築いている MVP がいる場合は、その方にフィードバックを伝えても良いでしょう。

※この記事は、米国 AvePoint で 2022 年 7 月 22 日付で公開された記事 “What is Microsoft Purview?” の内容を日本語訳したものです。

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