水曜日, 5月 15, 2024
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Microsoft Power Platform とは?活用事例も紹介

Microsoft Power Platform は、データ分析やアプリケーションの開発、チャットボットの作成など、さまざまな面で業務を効率化させ、デジタル変革を推進するためのツールです。

この記事では、 Microsoft Power Platform の特徴や基本的な機能、実際にどのようなシーンで活用されているのかについて詳しく紹介します。導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

Microsoft Power Platform とは?

Microsoft Power Platformとは、 Power BI や Power Apps などMicrosoft が提供する 4 つのアプリケーションの総称です。

Power Platform に属するアプリケーションは、いずれもローコードで開発できることから、開発時の負担を軽減できるとして近年需要が高まっています。

これらアプリケーションは単体でも利用できますが、 Power Platform と組み合わせることで業務フローの改善や生産性の向上などが実現します。

Power Platform を構成する 4 つのサービス

Power Platform は、以下 4 つのアプリケーションで構成されています。

  • Power BI
  • Power Apps
  • Power Automate
  • Power Virtual Agents 

それぞれの概要やできることについて説明します。

Power BI

BI とは 、Business Intelligence の略で、さまざまなデータを分析・収集・保存・可視化する方法の総称を指します。そしてPower BI は、Microsoft社が提供するBIツールです。ウェブサイトやモバイルデバイスを通じて、BIデータを組織内で公開、閲覧することができます。

Power BI とは

Power BI は、膨大なデータから必要な情報を抽出し、グラフなどの見やすい形に変換してダッシュボード上に表示するアプリケーションです。

データを探す手間を省ける、あらゆる形式のデータから迅速にインサイトを見つけ出せる、さまざまなデバイスからアクセスでき、いつでも情報共有ができるといった特徴があります。

なお、 Power BI には、  Power BI Pro と Power BI Premium の2つがあり、 Power BI Pro は Microsoft365 E5 に含まれています。

Power BI でできること

Power BI を利用することで、かんたんにデータの加工・分析、グラフ化、ダッシュボードを作成することができます。

例えば、店舗ごとに売上をリアルタイムで把握することが可能になります。各店舗の業務システムに打ち込まれたデータを Power BI に取り込むことで、リアルタイムで売上を確認することができます。

また、 Power BI は、工場や社内システムの異常検知にも役立ちます。工場に設置されたデバイスや社内システムを Power BI と接続することで、データのモニタリングが可能です。

さらに、プロモーションや購買データなど、複数のソースデータを組み合わせることで、多角的に成果をモニタリングすることもできます。

Power BI Desktop とは

Power BI Desktop とは、各種データソースの収集・分析や、レポートの設計・開発が可能な Power BI を構成するアプリケーションのひとつです。実際にレポート作成などの作業を行う際は、この Power BI Desktop を使います。

Power BI Desktop は、 Salesforce 、 Excel 、 SharePoint など、さまざまなデータソースに対応しており、データを簡単にモデル化できることが特徴です。 Azure で開発された AI 機能によりデータを深掘りできるので、あらゆるビジネスシーンに役立つでしょう。

さらに、データビジュアルを利用することでレポートを作成することができます。レポートは、テーマや書式設定、レイアウトなどを自由にカスタマイズすることが可能です。

Power BI Desktop でできること

Power BI Desktop では、クラスタリングやクイック指標、グループ化など、データの詳細な分析が可能な機能が豊富に備わっています。

また、 Azure の AI 技術を取り入れることで、通常では見逃しやすい貴重な情報もキャッチすることが可能です。データの解析や自動パターン探索などを活用することで、ビジネスの質がより向上するでしょう。

​さらに、ドラッグ&ドロップの直感的な操作や視覚的なデータ表示を利用して、わかりやすいレポートを簡単に作成することもできます。テーマやデザイン、配置などは自由にカスタマイズできるので、独自のレポートを作成することができるでしょう。

Power Apps

Power Apps とは、プログラミングに関する知見がない人でも、簡単に業務アプリケーションを作成できるツールです。

プログラマーが不在でも自社内で業務アプリを作れるようになるため、開発・運用を外注するコストを抑えることができます。業務フローの変更にも柔軟に対応することができるので、利用する企業が増えています。

Power Apps とは

Power Apps は、ローコードで業務アプリケーションを開発できるツールです。ドラッグ&ドロップで簡単に業務アプリケーションを作成することができるので、プログラミングの知見がない人でも手軽に利用できるというメリットがあります。

業務アプリケーションとは、業務を効率的に処理するために開発されたプログラムのことです。例えば、商品の在庫管理システムや生産管理、顧客管理といったシステムがこれにあたります。

また、Power Apps はアクセス制御やログ管理など、セキュリティ機能も充実しているので、安心して使うことができることもメリットのひとつです。

Power Apps を導入すれば、多岐にわたる業務をデジタル上でスムーズに行えるようになるでしょう。

Power Apps でできること

Power Apps を使えば、プログラミングの知識やノウハウがなくても、手軽にアプリを作成できます。

従来のアプリケーション開発は、プログラミングに関する知見が必要でした。しかし Power Apps は、プログラミングについて知らない人でも簡単にアプリを制作できる、ローコード開発が採用されています。これにより、ドラッグ&ドロップする感覚でアプリケーションを作ることが可能になっています。

また、 Power Apps は、 Power BI をはじめとするさまざまなデータと接続することができます。 Excel や Oracle データベース、 Azure データベースなど、主要なデータベースとの接続をサポートしており、ウェブブラウザを通じてソースコードを書かずとも、データ接続することが可能です。

Power Automate

Power Automate は、前身であるサービス「 Microsoft Flow 」に、繰り返し作業の自動化をサポートする機能を追加し、新しいブランドとして生まれ変わったアプリケーションです。

一定のルールに沿った単純作業を、設定したルール通りに自動で実行させることができます。

Power Automate とは

Power Automate は、自動ワークフローを簡単に作成できる、業務効率化に役立つアプリケーションです。

Power Automate に組み込まれている機能 AI Builder では、プログラミングの知識がなくても簡単にAIを利用できます。これによって、より複雑な RPA の実装、パターン認識や自然言語処理によるチャットボットを作成することができます。プログラミングに詳しくない人でも、気軽に始められるでしょう。

また、 Power Automate はモバイルデバイスで利用でき、自動ワークフローの作成や管理、アクティビティの監視などを、場所や時間に関係なく行えます。

Power Automate でできること

Power Automate は、決まった業務をルールに従って、自動で処理することができます。

例えば、英文のメールを受信したら自動で翻訳して日本語に変換したり、メールの添付ファイルを特定のファイルに保存したりと、あらかじめ定めたルールに基づいて作業を処理できます。

日々の単純作業を自動化できることはもちろん、フォルダにファイルが保存されたら通知したり、特定の作業が終わったら Teams で完了の報告をしたりといった通知の自動化も可能です。

Power Automate を導入すれば、ファイルの同期や通知の受信、データ収集などを簡単に行うことができるので、業務時間の短縮にもつながるでしょう。

Power Automate Desktop とは

Power Automate Desktop は、 Outlook などのローカルアプリケーションを自動化できるアプリケーションです。

インターネットの情報を自動でまとめて Excel 形式で保存したり、複数の Excel データをひとつの Excel ファイルにまとめたりすることができます。

また、 Power Automate と連携することで、約 500 の外部サービスとの連携やログ管理などを行うこともできます。

Power Automate Desktop でできること

Power Automate Desktop には、 Excel 操作に特化したアクションが 28 個備わっており、 Excel のマクロを利用することで業務の効率化を図ることができます。

また、インターネットで公開されている情報を取得するアクションが 23 個備わっており、情報収集に関する業務も効率的に進めることができます。

さらに、デスクトップアプリを操作するアクションが32個あり、同じ情報を繰り返し入力する重複作業を排除するツールとしても利用が可能です。

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Power Virtual Agents

Power Virtual Agents は、ノーコードで高機能なチャットボットを作成できるアプリケーションです。プログラミングのノウハウがなくても、シンプルな操作で簡単に作成できます。

また、 Power BI や Power Apps などのアプリケーションと統合でき、顧客データに関するタスクの自動化も可能です。これまでかかっていた時間やコストの削減につながるでしょう。

Power Virtual Agents とは

Power Virtual Agents は、企業のユースケースに合う高度なチャットボットを、ノーコードで簡単に作成、管理することができるアプリケーションです。

Power Virtual Agentsには 2 つのバージョンがあり、それぞれの使用例は以下のとおりです。

  • Microsoft Teams 上の Power Virtual Agents アプリ…一般的な質問に回答できるチャットボットや短時間でチャットボットを作成したい場合に向いている。
  • Power Virtual Agents Web アプリ…顧客が管理できるチャットボットや複雑な機能を備えたチャットボットを作成したい場合に向いている。

いずれも、 Power Automate を使用してアクションを追加できる機能や、既存のサポートコンテンツからトピックを作成できる機能が備わっています。 

Power Virtual Agents でできること

Power Virtual Agents は、顧客の問い合わせに回答するチャットボットや、煩雑な社内の手続きについてわかりやすく教えてくれるチャットボットを作成することができます。

チャットボットでは 、 1 対 1 もしくはグループ内において、リアルタイムでテキストメッセージのやりとりができます。また、グループチャット中に読んでほしい相手をメンションで指名したり、グループ全体へメッセージを送信したりすることも可能です。

Power Virtual Agents を活用すれば、担当者が問い合わせに対応する負担を減らすことができるため、業務を効率的に進めることができるでしょう。

Power Platform を使用するメリット

Power Platform を活用する主なメリットは、以下の 3 つです。

  • 業務効率化を進められる
  • Microsoft Office ソフトとの親和性が高い
  • セキュリティ面でも安心

それぞれ詳しく解説します。

業務効率化を進められる

Power Platform は基本的にノーコード・ローコードでもアプリが作れるため、エンジニアがいなくてもスピード感を持って業務効率化を進められます。エンジニアがいなくても、業務フローをスムーズに構築できるでしょう。

また、新型コロナウイルスの感染拡大によって定着したリモートワークにもマッチしたサービスである点もメリットのひとつです。

初期費用を抑えられ、かつセキュリティの面でも優れているため、多くの人が安心して使うことができるサービスだといえます。

Microsoft Office ソフトとの親和性が高い

Power Platform は多くのビジネスシーンで利用されている Microsoft Office ソフトと相性が良いため、データをスムーズに連携しながら作業を行うことができます。

さまざまな業務をシームレスに進めることができるでしょう。

セキュリティ面でも安心

Power Platform は Microsoft が提供しているサービスのため、セキュリティの面でも安心です。

定期的なウイルスチェックはもちろん、データが消えたりウイルスに感染したりといったリスクにも、強固なセキュリティで対策しています。安全に情報を管理できるでしょう。

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Microsoft Power Platform の活用事例

Microsoft Power Platform の活用事例を 2 つ紹介します。いずれの企業も、業務の効率化や生産性の向上が格段にアップしています。ぜひ、参考にしてください。

交通系会社の活用事例

東京の地下鉄会社では、線路保守業務の作業負担を減らすために、 Microsoft Power Platform を活用しています。従来の目視に頼ってきた点検業務を Microsoft Power Platform で自動化し、設備の早期異常検知を実現させる取り組みを行いました。

実現に向けてはさまざまな課題がありましたが、試行錯誤を繰り返し、線路を撮影した画像から設備の劣化など異常を検出する仕組みの開発に成功しています。

今後は、将来的な活用拡大も視野に入れて取り組みを加速させ、実用化を進めていくそうです。

地方自治体の活用事例

千葉県某市では、「市民サービスを DXで 、もっと前へ」「仕事の生産性を DX で、もっと前へ」という2つの視点から、フロントオフィスとバックオフィスの一体的なデジタル変革を推進するために、 Microsoft Power Platform を採用しています。

システム開発やプログラミング経験のないメンバーをアサインし、ローコード・ノーコード開発ツール Microsoft Power Apps を利用したアジャイル開発で、旅費・文書管理・予算執行の業務プロセスのデジタル化を実現させました。

今回の取り組みを踏まえ、今後は Azure の AI や ML サービスと PowerPlatform を連携させ、蓄積されたビッグデータを有効的に活用するモデルの構築も見据えているそうです。

Microsoft Power Platform を活用しよう

Microsoft Power Platform は、業務ニーズに合わせたアプリケーションを、ローコードで開発できるクラウドサービスで、 4 つのアプリケーションから構成されています。

Microsoft Power Platform を導入すれば、業務の効率化に役立つさまざまなアプリケーションを手軽に開発することができます。運用や保守にかかるコストも抑えられるため、業務負担の軽減にもつながるでしょう。

IT が普及し、デジタルサービスを誰もが使う昨今において、 Microsoft Power Platform は今後も需要が増加するサービスだといえます。

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