月曜日, 4月 29, 2024
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Power Apps とは?ローコードでアプリを作成しよう

業務効率の改善や作業時間の短縮を目的に、社内向けアプリ開発を検討している方は多くいるでしょう。しかし、アプリ開発にはコストがかかりますし、専門知識を持つ社内の人材も必要になるといった難点があります。

今回は、そのようなシーンで役に立つ「 Power Apps 」について説明します。社内向けアプリ開発を手軽に行いたい、アプリ開発のコストを低減させたいという方は、ぜひ最後までお読みください。

Power Apps とは?

Power Apps とは、Microsoft 社が提供しているローコードの業務アプリ開発ツールです。同社で提供されるサービスの「 Power Platform 」を構成するアプリケーションの 1 つとなっています。

通常、アプリ開発では専門知識を持ったエンジニアが必要です。しかし Power Apps は非エンジニアでも、業務で利用するアプリの開発ができるようになります。

作成したビジネスアプリケーションは、 Office 365 などの Microsoft 製品との連携が可能です。また、Windows と MacOS のどちらでも動作しますし、専用アプリをインストールすればモバイル端末でも動作します。そのため、動作環境ごとに合わせてアプリケーションを作成する手間がかかりません。

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Power Apps でできること

Power Apps を使うことで、ローコードでアプリを作成することができます。開発できるアプリはキャンバスアプリ、モデル駆動型アプリ、 Power Pages の 3 種類です。それぞれのアプリの特徴について、以下で解説します。

キャンバスアプリ

キャンバスアプリは名前の通り、キャンバスにドラッグ&ドロップするだけでアプリを作成する方法です。用意されている既存のパーツを選んで配置するだけでよいため、プログラミングがわからない初心者の方でも、手軽にアプリを作れるでしょう。

キャンバスアプリは Excel のように関数を使用して、処理ロジックを構築する仕組みです。基本的に 1 機能単位で作成するため、小規模でシンプルなアプリ作成に向いています。

モデル駆動型アプリ

モデル駆動型アプリでは、 Microsoft 社のデータベースである Dataverse をモデルとして、それに連動する形でアプリを作成します。

キャンバスアプリではデザインを先に決めて、関数や動作を構築する流れなのに対し、モデル駆動型アプリは先にデータを用意してから、アプリをデザインしていく形になります。この特性から、モデル駆動型アプリは、データの管理・操作に特化したアプリ作成に最適です。

こちらもキャンバスアプリと同様に、コードを書く場面はほとんどありません。レイアウトが固定されている分、キャンバスアプリよりはデザインの自由度は下がります。

Power Pages

2022年10月より、「Power Apps ポータル」の機能が独立して「Power Pages」という名前になって提供されるようになりました。

Power Pages は、ローコードで Web サイトを作成できます。豊富なテンプレートを使って、用途に合わせたカスタマイズをすることも可能です。これにより、HTMLやCSSに詳しくない初心者でも、 Web ページやコンテンツを作成できるようになります。

Webサイト作成のコストを抑えたい場合や、社内に専門知識を持つエンジニアがいない場合に利用を検討すると良いでしょう。

Power Apps を使用するメリットって?

ここでは、 Power Apps を導入する 3 つのメリットをご紹介します。自社で導入する際に、どのような効果があるか考えながらご確認ください。

プログラミング開発のスキルが必要ない

Power Apps では、プログラミング開発のスキルや経験は必要ありません。ローコードのため、プログラマーがその場にいなくても、現場主導でアプリ作成を進められます。

通常アプリを開発するには、スキルや知識はもちろん、要件のすり合わせなどでコミュニケーションに多くの時間がかかります。その後に開発期間が必要なため、1つのアプリ開発にかなりの期間が必要です。

しかし Power Apps では、現場の意見を反映させながら、すぐにアプリを作れます。開発にかかる時間や手間が少なく、自社のニーズに合わせたアプリができるのは、メリットの 1 つです。

低コストかつ短期間でアプリを作れる

Power Apps を利用すると、専門知識が無い人でも、 Power Apps について少し学習すれば、すぐにアプリを作成できるようになるでしょう。そのため、既存の人員のみでアプリ開発を行うことができます。

専門のプログラマーを雇う必要がなくなりますし、外部の開発者に依頼するよりも短期間かつ、費用を抑えてアプリを作れるようになります。

Microsoft 365 の製品と連動できる

Power Appsは、ほかのMicrosoft 365 の製品と連動できるという強みがあります。 

通常は外部のデータと連携をするには、専門的な知識やスキルが必要となります。しかし Power Apps では、 500 を超えるコネクタの活用が可能です。 Power BI はもちろん、 OneDrive にアップロードされている Excel などの接続もサポートしています。そのほかにも Microsoft Azure や、 Power Automate 、 Microsoft Teams といった製品との連動が可能です。

Power Apps は、ただのアプリ作成ツールではなく、業務の自動化や効率化、生産性の向上につながるツールだと言えるでしょう。

Power Apps を使用するデメリットは?

Power Apps にはデザイン性や、開発の規模に関するデメリットも存在します。今回は気になる、 2 つの点について解説します。利用をするうえで、どのような点がデメリットとなるのかを、事前に確認しましょう。

デザインの自由度は低い

Power Apps は初心者でも、時間をかけずにアプリが作成できるツールですが、デザインの自由度は高くありません。 既存のパーツを用いて作成するのが基本となるため、 0 からアプリを作成する方法と比べ、デザインはある程度固定化されることになります。

ただし、社内用のアプリであると割り切ってしまえば、大きな問題はありません。社内で使用するための、実用性を重視したアプリ開発のツールとして認識しておきましょう。

大規模アプリの開発には不向き

Power Apps はあくまでも、簡易的なアプリを作成するためのツールであり、大規模なアプリ開発には不向きです。複雑な業務用のアプリ作成には向いておらず、多くのデータを取り扱う、複雑な分岐があるシステムは難しくなっています。

システムを構築した後に、一部データの入力や、検索の窓口として利用する方法が Power Apps には向いています。希望しているシステムやアプリが、 Power Apps に向いている内容であるか、事前に確認しましょう。

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Presentation about machine learning technology with scientist touching screen with artificial intelligence (AI), neural network, automation, and data mining words and computer icons

Power Apps の活用事例 2 つを紹介

Power Apps を使用すると、どのようなアプリが作れるのかをご紹介します。

事例  1  :勤怠アプリ

Power Apps の活用事例の 1 つに、勤怠アプリの作成があります。勤怠アプリを使用して、従業員の出勤状況を確認したり、勤務時間の集計をしたりといったことが可能です。

テレワークが普及しているため、自宅からでも勤怠確認ができるアプリがあると便利に感じるでしょう。 Power Apps を使用すれば、低コストで従業員の勤務状況を管理できるアプリが作成できます。

事例 2 :タスク管理

Power Apps を使用して、業務の進捗確認などのタスク管理も行えるようになります。現在のタスクを、チームのメンバーがそれぞれどの程度業務を進めているのか、一覧表示で確かめられるようになります。

目標や締切に対して、現時点の立ち位置がわかるため、今後の計画も立てやすくなるでしょう。 Power Apps を使えば、チームがより効率良く仕事を進められるアプリを、低コストで作成できます。

Power Apps の基本的な使い方

Power Apps の基本的な使い方を確認しましょう。今回は、キャンバスアプリの利用方法を説明します。

  1. ブラウザから Power Apps へアクセス、ホームの「空のアプリ」をクリックする
  2. 表示されたアプリの種類から、「空のキャンバスアプリ」の「作成」を選択する
  3. 任意のアプリ名を入力、形式ではどのデバイスから利用するかを決める。今回は「タブレット」を選択する
  4. 「 Power Apps Studio へようこそ」と表示されたら、スキップを押下する
  5. 白紙のフィールドが表示されるため、サイドバーの編集ツールを使用して、データをクリックで追加する
  6. 上部のツールバーにある、保存アイコンをクリックして、保存する
  7. 上部ツールバーの「▶︎」を選択すると、プレビューが確認できる

作成した後はプレビュー画面で、問題なく動作するか確認しましょう。

Power Apps を利用できるプラン

Power Apps を利用するには、対応したプランに加入している必要があります。利用できるプランは、以下の通りです。

製品名 価格
Power Apps 2,500 円(毎月)
Power Pages 25,000 円(毎月)

8,154 円(毎月)

AI Builder 62,500 円(毎月ユニットあたり)

 

Power Pages は、Webサイトごとに認証済みユーザーの場合は 25,000 円、 匿名ユーザーは 8,154 円です。

なお、以下のプランに加入している場合は、追加料金を払う必要はありません。

  • Office 365 E1
  • Office 365 E3
  • Office 365 E5
  • Microsoft 365 Apps for enterprise
  • Microsoft 365 E3
  • Microsoft 365 E5
  • Microsoft 365 F3

Power Apps を活用しよう

Power Apps は初心者でも低コストかつ、短期間でアプリ開発ができるツールです。自社の業務効率化につながるアプリを、専門のエンジニアがいなくても開発できます。 

また、 Power Apps は他のMicrosoft 製品との連携が可能です。すでに Microsoft 製品を導入している場合は特に、より仕事を進めやすい環境を作りやすいでしょう。大規模な開発には向かない点には注意が必要なため、どのようなアプリを作りたいのか、 Power Apps で実現可能かどうかは事前に確認しましょう。

自社の業務効率化を考えている人は、ぜひ Power Apps によるアプリ作成をご検討ください。

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