水曜日, 8月 17, 2022
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Microsoft 365 のガバナンスは実際に誰の責任なのか?

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この数年で Microsoft 365 がソリューションとして成熟し、Microsoft Teams が主要なコラボレーション ツールになる中で、企業はテクノロジー分野における進化に追いつくため取り組んできました。 

SharePoint オンプレミスが取り沙汰されていた頃、状況は遥かにシンプルでした。その頃に比べて、Microsoft 365 は複雑化し、動的なプラットフォームへと発展しました。そして、その恩恵を最大限に得るためには積極的な最適化と管理が必要になります。 

実際、Teams や SharePoint から必要な成果を得るためには、これらのソリューションを細やかに調整し、設定する必要があることに (IT 部門の責任者ではなく) ビジネス オーナー達が気付き始めています。「どのテクノロジーを導入するか」を考え始めている人は多いですが、より重要なのは、ビジネス上の課題に応えるソリューションとするため、「どのようにテクノロジーを導入するか」という質問です。 

こういった中で、ガバナンスに関する議論が活発化しています。 

Microsoft 365 のガバナンスとは何か? 

ガバナンスは幅広い分野にまたがるテーマであり、ひとつの定義でそのすべてを表すことはできません。ガバナンスの捉え方は人によって異なりますが、ガバナンスをどう定義するかは、個人や組織の関心がどの分野にあるかによって変わってきます。ただ、一般的には記録やデータの管理、データの長期にわたる保存方法がガバナンスの領域となります。 

従業員が Microsoft Teams、SharePoint、Yammer、OneDrive に加えて複数のビジネス アプリケーション (セールスやマーケティング プラットフォーム) を使用している今の環境下で、組織は非構造化データを大量に抱えています。そこで課題となるのが、こうしたシステムと活動を取り巻くプロセスの中で、データをどう管理するかという問題です。 

だからこそ、ガバナンスは基本的にコンテンツのルールやユーザー制御、コンテンツ セキュリティの管理や制御、規制を扱います。 

※この記事は、米国 AvePoint で 2021 年 10 月 21 日付で公開された記事 “Who Actually Owns Microsoft 365 Governance?” を日本語編訳したものです。

Microsoft 365 のガバナンスは、一般的にどう扱われているのか 

ガバナンスの観点から多くの組織が行っている取り組みが、ポリシーの設定です。しかし、基本的に今の定義されたポリシーや手順は以前のツールやシステムから引き継がれただけの場合が多く、Microsoft 365 のベスト プラクティスと呼べるものではありません。 

企業ごとに視点も異なります。その場しのぎの無秩序な環境にあり、従業員がやりたい放題で困っているという企業もあります。逆に企業の決まり事が厳しく柔軟性を欠いており、何事についても締め付けが強すぎて従業員が何もできない状態に置かれている場合もあります。 

また、ポリシーの定義に問題がある例として、ドキュメントの管理をすべてのドキュメントを保持することで済ませようとしているケースが挙げられます。ですが、すべてのドキュメントを抱えたままにしてはいけません。コンテンツ構造や情報管理の方針を把握し、プロセスを機能させる必要があります。最終的に重要になるのが、SLA を設定し、その定義がしっかりしたものであることを確認し、SLA をエンド ユーザーに伝えることです。 

Microsoft Teams や SharePoint は、何でもできる自由な領域とみなされています。だからこそ、ガバナンスを設定し、ユーザーがどのように行動すべきかについてより良い伝え方をしていく必要があります。この部分の定義と伝え方がしっかりしていれば大丈夫ですし、逆にうまくいっていなければ問題が生じるでしょう。 

誰のもとで行うのか? 

「ガバナンスを誰のものとで行うのか」という問いへの手短な回答が、「マーケティングや製品チームの意見を取り入れて、IT 部門が実行する」というものです。一方、IT 部門はプラットフォームを提供するだけで、IT 部門ではなくビジネス部門もガバナンスの実行に携わるべきだと考える人もいます。 

問題の原因は、プロジェクトの目的が「SharePoint の導入」や「Microsoft Teams の導入」であると誤解されている点にあります。ですが、ガバナンスの本来の目的は、ビジネス上の問題を解決するためのツールとして Microsoft 365 を活用し、実際に解決に導くことです。 

実行すべきサービスを定義するには、ビジネス上のニーズと目的が必要です。これを定義することが、サービス管理のために設定が必要なガバナンス ポリシーの判断に役立ちます。 

つまるところ、いかなる企業のテクノロジーであっても、導入を成功させるには IT 部門の深い関与が必要なのです。この部分が変わり、ビジネス オーナーが Microsoft 365 の成功に責任を持つようにならないことには、企業がこのような変化を達成するのは困難でしょう。 

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Microsoft 365 のガバナンスの実行にあたって重要な点 

1.一人に全責任を負わせない体制を構築する 

たとえばサービス マネージャーといった一人の人間に責任が集中すると、その人は問題が生じてもそれを伝えたくないと思うあまり、例外を作ろうとする傾向があります。 

また、システムで多数のルールを実行することについても、あまりサポートしたがらない場合があります。だからこそ、一人の人間が悪者にならないように委員会を設けて、ガバナンスの実行にあたらせることが必要なのかもしれません。 

2.ガバナンス モデルの「コスト」を把握する 

企業は民主主義ではなく、時には厳しい決定を下す必要があります。企業文化が違えば、ガバナンスの設定や管理の方法も異なりますが、組織がどのようなモデルを設定するにせよ、そのモデルの「コスト」について理解しておく必要があります。 

構造化と制御の度合いが過ぎると、従業員がシステムを使わなくなるおそれがあります。一方、あまりにも構造化されていないと、従業員が基準に従わず、最終的にプラットフォームに人が集まらない可能性があります。 

こうした決定において、ときにビジネス部門と IT 部門が必要以上に対立することも考えられます。また、変化のプロセスと、ビジネス上で必要となる作業量の説明において齟齬が生じる場合もあるため、エンドユーザーに実際に何が求められているのかを伝えることが重要になります。 

3.コンテンツ配信を試す 

IT 部門の担当業務はコラボレーションやドキュメントの管理、記録の管理、セキュリティ、コンプライアンスなど多岐にわたりますが、それに加えてアプリケーションの配信についても管理する必要があります。 

これらの業務すべてをひとつのインフラで処理しようとしているわけですが、組織の成長に伴う課題も存在します。IT がビジネスにもたらしている価値を考えても、グローバルな組織にあって、たとえば 6 人程度の従業員でこれだけの業務すべてをこなすというのは、どう考えても持続可能ではありません。

そこで何ができるかを考えたとき、アプリケーション配信をコンテンツ配信と呼ぶことがひとつの解決策となります。アプリケーションをサービスとして定めることで要求プロセスが簡素化され、特定のサービスについて具体的な SLA を定めやすくなります。さらに、サイトの見た目を良くし、ナビゲーションを修正し、Web パーツコミュニケーション サイトの構造を整理するといった取り組みで、利用可能なサービスの概要について明確に伝えていく必要があります。 

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4.ワークロードをクラウドに移行するコストについて把握する 

IT 部門の負担軽減という観点からも、特定業務のクラウドへの移行は、IT 部門の一部業務の移行につながります。 

Microsoft 365 の基本的なアクティビティに関するユーザー サポートの重圧は軽減されます。なぜなら、ユーザー サポートを提供するにしても、そのリクエストにコストがかかるようになるためです。これはビジネスのコスト面で有利になる可能性がある一方で、ビジネスにとってのコストとは何なのかを問う必要があります。 

カスタマイズ性を減らせば、Microsoft 365 の本来の価値が損なわれてしまいます。クラウドへの移行に伴う機会損失コストについて深く考えている人は非常に少ないですが、これはとても大きな問題です。 

さらに、クラウドにまつわる大きな懸念として、セキュリティが挙げられます。オンプレミス システムのセキュリティはどうなのか? ガバナンスによってセキュリティはどう向上するのか? といった懸念があるのです。 

また、プロセスの重要性はシステムと同等か、あるいはそれ以上であることも忘れてはなりません。さらに一部地域では、セキュリティというよりも主権に関する懸念が存在します。つまり、Microsoft 365 は米国でホスティングされているためにアジア太平洋地域や欧州・中東・アフリカの多くの企業がデータ法について懸念しており、こういった地域におけるクラウド導入の遅れにつながっています。 

結論 

Microsoft 365 のガバナンスにおける全体的な目標のひとつが、現在の従業員とリソースで今よりも多くの成果を挙げることです。 

将来的には、クラウドによって今以上に少ないリソースで大きな成果を出せるようになるかもしれません。しかし現時点では、ガバナンスによるリソースの整理、チームがいま何を必要としているのかの把握、プラットフォーム上で利用可能なリソースを最大限活用できているかの確認といった、既存のインフラや人員の最適化が焦点となっています。 

現在起きていることに絞って考えるのであれば、ガバナンスの目的は、現在のワークロードを最大限に活用する方法を把握し、チームや企業全体で効率化をすすめることにあります。 

関連ブログ①: アイデンティティ ガバナンスとデータ ガバナンスの違いと必要性

関連ブログ②: SharePoint ガバナンスは他の Microsoft 365 アプリとどのように統合されているか

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