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機能追加前に知りたい! 解説・Microsoft Teams プライベート チャネル

【追記: 2019 年 11 月 4 日から米国で開催の Microsoft Ignite において、機能追加の発表がありました。Teams 機能追加セッションのまとめは こちら から。】
近日中に機能追加されるという話ばかりが独り歩きし、なかなか具体的な内容が見えてこない、 Microsoft Teams プライベート チャネル 。Inspire 2019 でもついに発表されなかったものの、ユーザー フィードバックでは 「最も要望の高い機能」 の位置をキープし続けており、ロードマップ上にも名前が見えます。今回の記事では、機能追加に先立って知っておきたい情報をまとめてみました。

Microsoft Teams プライベート チャネル

Microsoft Teams プライベート チャネルとは

プライベート チャネルは、チームの作成者、およびチーム作成者に招待されたメンバーだけが見ることのできる Microsoft Teams チャネル を意味します。コンセプトとしては比較的単純であるものの、2019 年 7 月 30 日の段階ではいまだ機能追加には至っていません。

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ただし ロードマップ には、同日時点でステータスは 「開発中」、リリースは  「Q4/CY2019」として記載されています。

Microsoft Teams プライベート チャネル 基本情報:

  • ユーザー ボイス で最も多くリクエストされている機能である
  • 2 年間開発が続いている
  • 2019 年 3 月 19 日に、同年の後半に機能が発表される旨のアナウンスがあった
    Microsoft Teams プライベート チャネル

ユーザーからの要望が強いチャネルの種別

ユーザー ボイス に書き込まれたユーザーからの要望を眺めてみると、ユーザーが 「チャネルを作成する際に、もっと多くの選択肢が欲しい」 と考えていることがわかります。主に、以下のようなチャネル タイプへの要望が強いようです。

  • パブリック オープン (Public-Open): ゲスト ユーザーを含め、誰でも参加できるチャネル
  • パブリック インビテーション (Public-Invitation): ゲスト ユーザーにも見られるが、参加には招待が必要であるチャネル
  • カンパニー オープン (Company-Open): 組織に所属するメンバーは招待なしで参加できるが、ゲスト ユーザーは招待されないと参加できないチャネル
  • カンパニー インビテーション (Company-Invitation): 組織に所属するメンバーだけが見ることができ、招待されないと参加できないチャネル
  • シークレット (Secret): 既存メンバーだけが見ることができ、招待されないと参加できないチャネル

なぜプライベート チャネルへの要望が強いのか

では、なぜここまで強くプライベート チャネルが求められるのでしょうか?

大きな理由としては、一定のコンテンツに対し、誰が何にアクセスできるかのコントロールを、より細かな粒度で実行したい という要望があると考えられます。

プライベート チャネルが追加されれば、機密情報を含むコンテンツの保護はより簡単になるでしょう。また、一定のメンバー (管理職や経営層など) のみが参加・コミュニケーション可能なチャネルを チーム内に作ることにもニーズがあると考えられます。

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なぜプライベート チャネルへの反対意見も強いのか

Microsoft Teams は、オープン コラボレーションを根底に置いたコミュニケーション ツールです。これは、他のメンバーとのコミュニケーションを可能な限りスムーズに実行できるように Microsoft Teams 自体が設計されている ということを意味します。チームに参加した直後から、チームに格納されているドキュメントにアクセス可能となるのはこのためです。

Teams チャネル
Microsoft Teams 内に個別セキュリティ コントロールの要素を取り込み、新規作成されるすべてのチームの所有者にアクセス権限の管理を任せる必要が生じれば、Microsoft Teams というプラットフォーム自体の目的が損なわれかねません。

また、「プライバシーがそこまで必要なのであれば、単に新しいチームを作ればよいではないか」 という意見も根強くあります。一部のメンバーだけが存在を知り・参加できるコミュニケーション回路が必要ならば、一般的なグループ チャットで代用することも可能です (ただし、チャネル同様の機能・利便性には欠けるという意見もあるようですが)。

Microsoft Teams プライベート チャネルがもたらす潜在的な問題

賛否両論あるプライベート チャネル機能ではありますが、要望の高さについては疑う余地はありません。では、なぜここまで機能追加に時間がかかっているのでしょうか?

まず、Microsoft Teams というプラットフォームの性質上、チャネル自体が個別のセキュリティ コントロールを想定して設計されていない ため、プライベート チャネルの概念そのものが持ち込みにくいという事実があります。

Microsoft Teams は、タスク管理は Planner、ファイル ストレージは SharePoint Online といった具合に、数ある Office 365 の機能を援用して組み立てられているコラボレーション プラットフォームです。

Teams コラボレーション

この中にプライベート チャネルを新規追加することを考えてみると、Planner、SharePoint Online、Stream、タブなどの権限をバックエンドですべて個別設定する必要があり、権限管理が非常に複雑化することは容易に想像がつきます。

おわりに

参加メンバー間のスムーズなコミュニケーション、一定メンバー間のオープンなコミュニケーションを実現するための手段として誕生した Microsoft Teams が、上記のような状態と共存することには困難がつきまとうことは、ある意味想定の範囲内といえるかもしれません。

今年後半にベールを脱ぐと期待されているプライベート チャネル機能がどのようなものとなるかは未知数ですが、どのような状態でデビューを果たすにせよ、Microsoft Teams というプラットフォームの性質をよく理解し、自社に最もマッチした形で使いこなせるよう、情報収集を怠らないようにしたいものです。

(本記事は、AvePoint 本社ブログに 2019 年 7 月 24 日付で掲載されたブログ記事 “Private Channels in Microsoft Teams: Facts vs. Fiction” を編訳・加筆修正したものです)
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